某社インターン参加記

2023/03/29 いつか公開しようと思って書き留めていたが、就活がほぼ終わり良い機会だと思うので公開する。ちなみにこの会社からは無事に内定をいただき承諾しました。

AtCoderの学生向けオンラインイベントで紹介されていたインターンに申し込んでみたら通ったので参加してきた。2週間くらい業務をした。データ分析の簡易化みたいなことをやっていた。(業務内容にもこの記事にも)競プロ要素はない。ちなみに同じ部署の違うチームに参加していた学生も皆たまたま競プロerだった(そっちの人たちは少し関係ありそうなことをやっていた、どっちも大学院でAIの研究をしているらしい)。業務内容についてはこれ以降特に書かない。

研究室に引きこもっていたら一生気づけなかったであろうことがいくつかあってとても新鮮だったので書き残しておきたい。

誰?

非情報系(情報系とそれ以外でインターンの様相がかなり異なりそうなので書いておく)のM1。 これまでにインターン参加経験はない。

学んだこと

  • ホワイト企業では効率的に仕事をしないと何もできないまま1日が終わってしまう
  • (ネットで揶揄されているような)無能窓際役職付きJTCおじさんは(少なくとも観測できた範囲には)一人もいなかった
    • 装置開発出身で現在バリバリコーディングやってるわけでもなさそうな管理職の人もライブラリとかフロントエンド周り(ちなみに自分はフロントエンドの知識も経験もないので、喋っていた内容がここにカテゴライズされるのかは定かでない)を当然のように知っていた
  • 噂に聞いていた仕様書・設計書だけ書くエンジニアはどこにもいなかった
    • 部署によってはそういう人もいるらしい
    • そもそも受け入れ先の部署は基本的に皆コード書けると聞いた(ただこれは開発ができるということと同義ではないっぽい?よくわかりません)
  • 会社は意外とオープンだった
    • 企業の研究所は外との交流がほぼないぞと脅されていたが自分の参加したチームには複数他社からの社員さんたちが加わっていた
    • 同じ会社の同じ部署・チームだけで閉じこもっていて次の異動までずっと同じ人たちとしか交流がないと思っていたがそんなことはなかった
  • うまく表現できないが、技術は所詮手段でしかなくて「何をやるか」という意思決定の部分こそが価値を生んでいるというか、その部分に給料が支払われていそうだなと感じた
  • 意に沿わない異動はいまだにあるらしいが今の状況だと引っ越さなくても働けそうだった(2023/03/29追記:仕事内容によるかも。地方から東京の仕事はできそうだが逆は無理な気がする)
  • オーナーシップは責任の範囲が明確になっていないと生じにくそうだなと思った
  • 自分は言われたことしかできないマニュアル人間だと思っていたが、自分の仕事の範囲が明確にされていて何をすれば良いのかが自明な場合は集中力を発揮しオーナーシップを持ってタスクをこなせることがわかった(何すればいいか、どこまで責任取らされるかが曖昧な状況では何もできなくなってしまいがちということなのだと思う)

まとめ

「とりあえずやってみる」ということが可能ならばとりあえずやってみるのが良いなと思った。どうせ通らないと思っていたが出してみてよかった。 あと、今回はあんまりしなかったけど、プログラミングを道具として使っていい感じになんかやりたいという非常に曖昧な就活軸にマッチしていそうだったので、募集が始まったらエントリーしようと思った。

書き散らし

年が開けた。いきなり体調を崩してしまい暇になった。修士課程に入って9ヶ月くらい経ち、色々あった(あるいはなかった)ので何か書こうと思ったが、頭が働かないので全くまとまらなかった。 ここ数ヶ月間、将来に対する漠然とした不安をしばしば覚えるようになったので、身の振り方を決めるヒントが得られないかととにかく思ったことを書き散らしていた。共感なり叱責なりが得られるかもしれないので(他力本願的な性格が出ているなぁ)、どこかでまともに読める形にして公開したいと考えていたが、まともな文章に編集し直す気力も体力もないのでそのままコピペする。固有名詞や狭い領域でしか使われていない用語は隠している。

誰/何?

  • 化学科卒→ウェットなバイオ系専攻のM1
  • 一応競プロを少しやっていた
  • アカデミアでPIになりたいと思って進学(ただ別にPIになって具体的に何がやりたいというのはなかった)したもののアカデミアに魅力を感じられず就活し始めた
  • 就職8割、D進2割くらい(年度内に内定が出たら企業に行こうと考えている)
  • 某社の(就活生向けイベントと思われる)機械学習コンペ的なものに参加した(これは正直どうでもいいが、この情報がないとわかりにくい箇所があるため)

以下、メモ。書き始めは9月頃と思われる。時系列はめちゃくちゃ。

働き方に関して

  • リモートで働ける仕事に就いて実家/山奥/ど田舎で暮らしたい(1/6追記:現在はあんまりそう思っていないが、選択肢としてはあってほしい)
  • 週休3日欲しい
  • 給料はそれなりで良い(いくら? 10/23追記:就活サイト見始めたら激務でも給料が高い会社に行きたくなってきた、どうせどんな会社も労働のキツさや拘束時間は変わらなそうなので。残業きつくても別に労働そのものがキツいので対して負担は変わらなそう。)
  • 休日も仕事するとか仕事に人生捧げるとかいうのは多分無理
  • 一つのことをし続けるのは結構厳しい気がする(飽き性なので)
  • 営業みたいなコミュニケーション全振りの仕事はおそらくできなそうだししたくない

価値観・性格・行動・嗜好など

  • 新しいツールの使い方を覚え、それらを駆使して今までできなかったことをできるようにするのが割と好き?(競プロはその辺がマッチしたからハマってた気がする)
    • 10/23追記:論文で他人の面白い研究知るのはめっちゃ好き(抗体酵素有機化合物パッケージング用タンパク開発、ice tag開発、in vitroウイルス進化再現、NMR-guided evolutionなど)。やっぱり■■教授(僕がタンパク構造関係を研究したいと思うようになったきっかけの研究をやっていた人)に博士課程学生ポジション空いてないかメール送って聞いてみる?そんな軽い気持ちで聞いていいものなのかわからないが……
    • これまでに面白いと感じた論文の多くがタンパク工学なのでそっちに進めば幸せになれる?
    • 12/23追記:「レベルアップを実感すること」が大好きだと確信した(ほんとか?)。競プロも某社の機械学習コンペの方もそうだと思う
    • 成長曲線のプラトーになる前まで頑張る、というのを繰り返すのが良さそう?(これだと人から金取れるレベルにはなれず無職になりそう)
  • 自分が他人より優れているということを数字で示せたときに結果として気持ちよさを感じた(自信がないから自分の能力を客観的な数値で担保したい、というしくみ?)が、これを目的に頑張るのはつらい
  • 単純に新たな知識を得ること、できることを増やすのは楽しい
  • 経験上、難しいことを楽をできるようにすることが特に好きだと思われる
    • 鶴亀算連立方程式で解く、天才発想問題を機械的に解ける問題に落とし込む、めんどくさい/難しいタスクをルーチンに落とし込む、みたいな
  • 模試の復習をしたがらなかったししなかった
    • 自分の良くない点を直視できない?
  • (プロセスが全てうまくいった場合であっても)答えがわからない/白黒つけるのが極めて難しいとわかっている問題に取り組むのが嫌、わからない原因が自分にあるだろうという状況(例えば、実験結果が変だがそれがおそらく自分の実験操作に起因していて、しかもそれが確かめられない状況)ではもっと嫌(逆に原因がはっきり特定できて再現可能なものとしては競プロのバグ取りがある)
  • 2022/9/26 ウェットの生物学は仮説立ててから結果が出るまでの時間が長すぎて面白くないなどと考えてしまった(仮説というか、今のプロトコルで○○の××解析ができる、という仮定のもと、実験計画して試薬注文してバッファ作って実験してデータ眺めて考えて…という一連の流れが1周するまでが遅い、実験科学だと大体なんでもそうだと思うけど……)
  • 10/23 仮説を立てて実験して仮説が正しいか検討する、というプロセス自体は別に嫌いじゃないしむしろ好きなんだけど、上の立場の人から細かく内容を詰められたり責任取らされたり(?自分の意図していない/制御不可能な部分を自分のせいにされるということ、なのかな?)するのが嫌なので、多分研究は嫌いじゃなくてそういう上下の意識が強い人間関係が嫌い?(2023/01/06追記:会社もそうっぽい?)この辺うまく言語化できないのでそのうち再考したい。
  • 2022/11/17 自社で何も作れない/技術開発していないのはダメでしょと思い始めた。「そこでしかできない仕事」に価値を感じる。この点某社は☆☆法の開発とかできているしめちゃくちゃ楽しそう。「そこでしかできない仕事」は軸として良さそう。
  • 失うものやリスクのない挑戦は結構やる、行動力がないわけではない
  • 新しい物は好き(ほんとか?)
    • どんどん新たな知識を取り入れて使いこなせるようになりたいから変化の激しい業界で最新の技術のキャッチアップが求められるような仕事が向いてるかもしれない
  • 科学技術の進歩は人間を幸せにするという信念、テクノロジー活用によって生命の維持のためには働かなくて良いユートピアが実現されてほしいし、何なら実現に貢献したい
  • 役に立たないもの作っても意味ないのでは?
  • アカデミアに魅力を全く感じられない
  • 周りの人たち(指導教員とか)から、なぜ博士課程に進まないのか、なぜ企業に行きたいのか、進学した/企業に入ったとしてその後どんな人生を送りたいのか、どんな状態なら幸せか、といったことを明確にした方が良いと言われ、色々細かく聞かれた(があまり答えられなかった)
  • 入学時にも同じことしてくれれば多分大学院には入らなかっだと思う(真面目かつ冷静に考えると当時でも今と同じ気持ちになりそうなので…….)
  • 修士で出てアカデミア以外に行くという進路、なぜか下に見られている気がする
    • 企業に入るという選択と博士課程進学とが同列の選択肢だとは思われていなそう……どちらも複数ある選択肢のうちの一つでしかないと思うんですが
  • 日本で博士課程に進むなら企業入った後でも退職すれば入れる(しなくても入れる場合もある)
  • 企業研究職も修士をかなり多く採っている(修士の方が良いのか、博士が少なすぎるのかは知らないが)
  • 知り合いの旧帝大DC1とった企業就活中の方は企業の研究職でかなり落とされて就活が上手くいってないみたいな話をしており……
  • そもそも職場としてのアカデミアに魅力を感じられないのは私のモチベ云々というよりもアカデミアに現在いる皆様方の責任では(責任転嫁クソ野郎)
    • 独特の閉塞感みたいなのが強い
      • 企業は企業で酷い場合があるっぽいが(社外の人と情報共有できない場合そうなるらしい……)
    • 企業では仕事が楽しいと言う人たちを見かけた(就活生向けイベントにはそういう人しか出さないのだろうけど)が、今周りにいる教員やポスドクで仕事が楽しいと言っている人は1人もみたことない
      • 企業では自由に研究できないとおっしゃるが、別にアカデミアでも自由な研究はできていないように見える
      • そもそもアカデミアにいる皆様は昔からやりたかったことを今やれているのか?
    • XX(非研究の職種)でも博士号持ってる人は結構いる、大企業に入っても終身雇用は終わるので博士号持ってた方がクビになった時路頭に迷いにくい、スタートアップ(創薬関係に限った話だろうか?)では博士号持ってないと雇ってくれない、みたいな話をされたがいまいち納得できていない(博士号の有無が本質ではない気もするし、今就活をやめて博士課程に進学しなければ享受できないメリットでもない気がする)
  • 就活し始めたら意外にも結構選考が進んでいる、新卒学生としてはそれなりに評価されているのだろうか?
    • コードちょっと書ける(AtCoder緑)、ちゃんと日本語の読み書きできる、論理的に一貫性のある内容を話せる(どもるが……)、会話がたぶんできる
  • 理系は技術職にも応募できる(ただし対象の専攻を明記しているような研究職は対象から外れ、ソフトウェアエンジニア職の場合は開発未経験だと恐らく採ってくれない、悲しい)ので選択肢がかなり広く、大体何にでもなれるんじゃないかという気持ちにさえなってきた
    • それらの選択肢を一旦全て捨てて博士課程に行くのもなあという気持ち(もちろん博士課程卒後に同じ業界・職種を受ければ良いのだが、博士課程後に同じだけの評価を受けられる自信がない、書類で落とされそう)
    • 研究以外でもやればそれなりに楽しそうだしやりがいもありそう
    • そもそも現在研究に楽しさややりがいを感じられているとは断言できない……
  • 非研究職に就くなら博士号を無理して取る必要は感じない

待遇

  • 学振・その他スカラシップ取れれば180–240万/年くらい(ただし学費はかかる)
  • その辺の企業の初任給は(ちゃんと修士取れれば)倍くらいらしい

その他

  • (一般論として)そもそも好きなことをし続けることができれば幸せなのか?



で?

博士号を取らないなら大学での専攻を活かす分野に就職してもしょうがないな(博士持ちが余っているように見えるので、そこで勝負するのは悪手だと判断した)と思い他の様々な仕事を見ていたが、とりあえず競プロやってたしIT関係、というのも安直な気がする。IT業界といったって職種が広すぎる。知識も経験も足りていない気がしてきた。そもそも絶対にITがやりたいかというとそういうわけでもない。ただ競プロで得た知識が勿体無いし需要を考えるとITが就職しやすくて待遇も悪くないだろう、程度の思考(そう考えると大学・大学院で6年かけて学んだ知識は勿体無くないのか、という話になってしまう……)。

企業について語るには長期インターンくらいは行っておくべきだったし、研究(職)について語るには学会発表くらいはしておくべきじゃないか?。知らないが……

究極的には価値判断の基準が明確になっていないからこういうことばかり考えてしまうんだろうなと思う。その一方で、そういう価値判断の基準って(例え明確にできていなくても)知識や経験を積むにつれて変化し続けるだろうとも思っている(だから昔は楽しそうに見えたことも今見ると大したことないものに見える、というようなことが起こる)ので、何か決断をするときは、いつ何を基準として決断したか記録しておき、あとからその良し悪しを評価していくべきだと感じている。人生そんなに悠長じゃないと思うけど。

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現状

 需要はないだろうけど一応。

成績

 昨年度の単位をすべて取得して進級した。あとは卒業研究と輪講の単位が取れれば卒業できる。

研究室

 第一志望の所に配属された。春休みは毎日が日曜日だったので曜日感覚が完全に失われていたんだけど、今は基本的に日曜日以外は毎日研究室に通っているので、結局、曜日感覚は失われたままである。週休1日だと曜日感覚は戻らないらしい。

進路

 困った。慶応の理工学研究科は出願期間が始まっているらしいんだけど、書類の記入どころか募集要項を読んですらいない。進路について親と話したとき、学費の話と絡めて、某大学院に行こうと考えていると伝えたところ、難色を呈された(大学院へ進学すること自体に反対されているわけではない)。まぁ、これに関しては、どこに行くか決めてからうまいこと説得するしかない。今どきは、研究室見学も、まずオンラインで面談してから、となっているようで、コミュ障にはつらい時代になったなぁと思う。どちらかというと対面のほうが精神的に楽。一般的にはどうなんだろう……